メニューを飛ばして本文へ

新たなダム管理の取組

新たなダム管理の取組

弾力的なダム管理

近年、ダム下流河川の清流回復など、河川環境の改善に対する社会的要望が高まっています。ダムの弾力的管理はこのような社会的要望に応えるため、ダムの洪水調節容量の一部を有効活用することにより、ダム下流の河川環境の整備と保全に資するものです。洪水調節を目的とするダムは、洪水期(三春ダムでは6月11日から10月10日)には、洪水調節容量をあらかじめ空き容量として確保しておき、この空き容量を利用して洪水調節を実施しています。弾力的管理では、このように平常時は空き容量になっている洪水調節容量の一部に、流水を貯留できる新たな活用容量を確保します。

川の環境を考えた管理

ダム下流河川の清流を回復するためなど、河川環境の改善のために、ダムの洪水調節容量の一部を有効に活用しています。

三春ダムではこの確保容量を利用して、より良い河川環境を造るための新たな試みとして「リフレッシュ放流」を行っています。

リフレッシュ放流(ダム下流河川のより良い環境を守るための放流)

ダム下流の河川は、一定量の水しか流れないために、夏場は川底の石に藻が付いたり、臭いの原因となる"よどみ"ができやすくなり、環境・景観に悪い影響を及ぼします。
そこで放水量を増やして定期的に川の汚れを洗い流そうというのがリフレッシュ放流で、三春ダムでは、洪水期(6~10月)に2週間に1回程度の割合で放流しています。


リフレッシュ放流前


リフレッシュ放流後

リフレッシュ放流(20m3/秒)によって"よどみ"に溜まった藻類などが洗い流されました。

総合的な土砂管理

三春ダムでは上流から流入する懸濁物質(水質悪化要因となる)をいったん滞留させ土砂と共に沈殿させる目的で前貯水池を設置しています。前貯水池には堆積した土砂が累積していくために、定期的に土砂を撤去する必要があります。また、ダムの建設により上流からの流出土砂がダムで遮断されるため、下流河川に土砂が供給されないため河床低下や周辺環境への影響が懸念されます。そこで、三春ダムでは前貯水池から撤去した土砂の処理又は再利用として、土砂還元試験や各種産業へのリサイクル砂管理を試験的に取り組んでいます。


土砂の堆積状況


土砂の還元状況(下流への供給)

前貯水池掘削

三春ダムでは年間計画堆砂量が約6万8千m3で検討されており、今までの実績から前貯水池には毎年約4万m3の土砂が堆積し続けることから、良好なさくら湖の水質を確保するため定期的に堆積土砂を撤去していく必要があります。これまでに前貯水池から撤去した土砂はストックヤードへ仮置きしていますが、ストックヤードの容量にも限りがあるため、撤去した土砂の有効的な活用法などについても検討を進めています。

土砂堆積状況(施工前)

土砂掘削後の状況(施工後)

堆積土砂などの利活用

土砂還元試験

河床低下現象が進行すれば、

  • 河川内の構造物(橋脚、護岸など)が不安定になる
  • 水利用の施設において取水が困難になる
  • 水面幅や水深、水際部などの変化により景観や自然環境に影響を与える。

など多くが懸念されます。その対策として、ダム下流の良好な河川環境を維持するため貯水池に堆積した土砂を掘削運搬し、ダム下流へ還元することでその効果を調査しています。

各種団業へのリサイクル

粗粒土 粗砂(建築資材)
細砂(建築資材、下流へ供給)
細粒土 シルト・粒土(農業用、建築資材)
流木等 視座区チップ化・堆肥化(農業用、建築)
その他 ゴミ等(分別し資源化)

  • ダムのライフサイクルの長期化(貯水池容量の長寿化
  • 川床低下の軽減
  • 自然環境の保全・復元・良好な景観の維持・形成

ページトップ